導入の背景・課題
ABC運輸株式会社は、首都圏を中心に食品・日用品の店舗配送を手がける物流企業です。事業拡大に伴い1日あたりの配送件数が増える一方、配車計画は長年、ベテラン担当者の経験と記憶に大きく依存していました。配送先ごとの時間指定、荷量、車格、ドライバーの稼働時間など複数の条件を照合しながら、表計算ソフトと紙の資料を使って毎朝配車を組んでいました。
通常日の配車作成だけでも約3時間を要し、追加配送や欠車が発生すると、その都度既存ルートを確認して手作業で組み直す必要がありました。担当者が休暇を取ると判断できる人が限られることもあり、業務の属人化と変更対応の遅さが事業拡大のボトルネックになっていました。

HaicoRouteを選んだ理由
システム選定では、単純な最短ルート計算ではなく、自社の実運用にある細かな配送条件を反映できることを重視しました。HaicoRouteは、時間指定・車格・積載量・ドライバーの稼働時間などを条件として設定でき、自動作成された配車案を担当者が必要に応じて調整できます。現場の判断を残しながら、配車作成の土台を標準化できることが導入の決め手になりました。
導入した仕組み
受注した配送データをHaicoRouteへ取り込み、AIが各種条件をもとに配車案を作成する運用へ変更しました。担当者はゼロから配車を組むのではなく、自動作成された案を確認し、当日の道路状況や個別事情に応じて必要な箇所だけを調整します。確定した配送計画はドライバーへ共有され、運行開始後は車両位置と配送進捗を管理画面から確認できるようにしました。
- 配送先・時間指定・荷量・車格などをもとに配車案を自動作成
- GPS情報から車両位置と配送進捗をリアルタイム表示
- 追加配送や欠車発生時は既存計画をもとに再計算
- 配送実績を蓄積し、日別・車両別の運行状況を確認

導入後の効果
導入後、配車作成・調整にかかる時間は1日約3時間から約1時間10分まで短縮され、約60%の削減につながりました。急な追加配送が発生した場合も、空き車両や既存ルートを確認しながら再調整できるため、担当者が一から組み直す場面が減少しました。
さらに、配車条件と運行状況がシステム上で共有されるようになったことで、ベテラン担当者以外でも状況を把握しやすくなりました。現在は複数名で配車業務を分担でき、休暇時の引き継ぎもスムーズになっています。配送状況に関する問い合わせにも画面を確認しながら回答できるようになり、社内外のコミュニケーションにも変化が生まれています。

今後の展開
今後は蓄積した配送実績を分析し、車両ごとの稼働率や待機時間、配送コストの改善にも活用する予定です。また、拠点ごとに異なっていた配車ルールの整理を進め、複数拠点で共通して運用できる配車基盤の構築を目指しています。
担当者コメント
何より、特定の担当者しか分からない状態から、チームで配車を管理できる状態に変わったことが大きいです。今後は配送実績のデータも活用し、車両の稼働や配送コストまで継続的に改善していきたいと考えています。
ABC運輸株式会社 輸送統括部 配車グループ 佐藤 健一 様
